分類:手技と手業の世界観
道具考:ラップ定盤
これは、「鋳物製定盤」です。
最も一般的に用いられているもので、この上にラップ砥粒を置き、ラップ油を混和して、ワーク面を摺り合わせます
ラップには「ネズミ鋳鋼」が最も適合的だといわれています。
京都の鋳物屋さんに無理を言って作ってもらいました。
これは、「燐青銅製定盤」。
もっとも、分厚い燐青銅板は高価格ですから、ここでは、20mmほどの鉄板に3mm厚の燐青銅板を接着剤で貼り付けたものです。
普通、ダイヤモンド砥粒をラップ剤として用いる場合、「銅」がよく採り上げられます。
確かに銅でも良い場合があるのかも知れませんが、私の場合には砥粒の保持力が弱い。
そのため「燐青銅」を使用してみたわけでしたが、砥粒の保持力には申し分ありません。
また、燐青銅とはいえ軟らかな素材であることには違いがないので、焼き入れをしたSK材をワークとしてその表面をラップする場合、ワークを傷めることがありません。
表面の成型にはGC砥石を使いました。
「ガラス定盤」。
いわゆる「チューブ入りのダイヤモンド砥粒」を使う場合に、ほぼ「定番」みたいにして利用されているものです。
私もこうしてガラス屋さんに作ってもらいましたが、まったく役に立ちません。
従って「お蔵入り」になっています。
石定盤の一種ですが、「石英製定盤」、というより、ただの石英の石板。
ダイヤモンド砥粒を使っての、遊離砥粒ラップ/湿式の場合、これがもっとも成果の上がった素材です。
ただ、大きくて分厚い石板の入手が非常に困難で、高価になります。
また、石脈に沿って割れやすく、また、砕けやすい。
機会があれば、是非入手したいものと考えています。
これも「石定盤」の一種。
ある業界では、「研磨盤」と称して、そのままの名称で一般的に販売されているものです。
ゲージ屋や金型屋の場合、自分たちの仕事がよほど特殊で独異なものだと思い込んでいるせいか、他の業種・業界でどのような道具や素材が使われているか、まったく無頓着なわけですが、そうであってはならないわけです。
ダイヤモンド砥粒の場合に限らず、GC砥粒を使う場合にも向いています。
ただ、平面の仕立て直しに手こずります。
石材の研磨を気軽に引き受けてくれるところが見つかれば、活用範囲がぐっと拡がります。
これは乾式ラップに使用するもので、ダイヤモンド砥粒を練り込んだものを塗布したものです。
乾式が有利な点は、定盤ラップに際して、遊離砥粒/湿式の場合に比べて、ワークに「縁ダレ」が生じないという点が指摘できますが、これは#2500相当のダイヤモンド砥粒が使われていて、通常の「磨き仕上げ」には十分です。もっとも鏡面にはなりません。
一般市販品ですので、メーカーさんの期待通り、販路が深く広がってくれるかどうか。
ここまで来ると、別段、特別な定盤素材を追究するとか、新規に施策してみるという必要もないわけです。
写真は「アルカンサス砥石」。
砥石を砥石としてラップ定盤に使えば足ります。
このアルカンサス砥石の面を如何に平面に成型するか。GC砥石で研磨するんですがね。
この写真の左のものは、アルカンサス砥石が今や稀少となって、サイズの大きなものは非常に高額になるということから開発されたという話を聞いていますが、いわゆる「人白砥石」。
「人造白色砥石」とでもいうのでしょうか。
右側のものは、ミツトヨ(株)が販売している「セラ・ストン」。アルカンサス砥石の代わりにブロックゲージのカエリ取り等に使われます。
これらも、ラップ工具として、ラップ定盤として使うわけです。
最後に、ハンド・ラップ用工具。
遊離砥粒ラップ/湿式用として使ってきたものでしたが、現在では、固定砥粒ラップ/乾式にラップ技法を変えてきていますから、ほとんど使う機会がありません。
ラップ作業というと鋳物製ラップ工具、という発想に囚われている限りは、鏡面ラップはまったく夢物語ですし、#20000程度までの超微細加工ラップが出来なければ高精度なゲージ製作は出来ません。
ただ、その場合に、どのような素材がラップ工具として適合的かは、これといって決定打はないかも知れません。
上の写真のものでも、入手の容易さ、価格の安さ、工具に仕立てる加工の容易さ、メンテナンスの簡便さ・・・といった点から試行錯誤を繰り返しましたが、別段、これ以外は適当ではないと判断は出来ません。これら以外のものは試してはいませんので。
ただ、0.5~0.1μm粒径のダイヤモンド砥粒でラップするというような場合、それに相当するような固定砥粒ラップ材はありませんから、なお、遊離砥粒ラップ/湿式の技法は必要であり続けます。
これは、「鋳物製定盤」です。
最も一般的に用いられているもので、この上にラップ砥粒を置き、ラップ油を混和して、ワーク面を摺り合わせます
ラップには「ネズミ鋳鋼」が最も適合的だといわれています。
京都の鋳物屋さんに無理を言って作ってもらいました。
これは、「燐青銅製定盤」。
もっとも、分厚い燐青銅板は高価格ですから、ここでは、20mmほどの鉄板に3mm厚の燐青銅板を接着剤で貼り付けたものです。
普通、ダイヤモンド砥粒をラップ剤として用いる場合、「銅」がよく採り上げられます。
確かに銅でも良い場合があるのかも知れませんが、私の場合には砥粒の保持力が弱い。
そのため「燐青銅」を使用してみたわけでしたが、砥粒の保持力には申し分ありません。
また、燐青銅とはいえ軟らかな素材であることには違いがないので、焼き入れをしたSK材をワークとしてその表面をラップする場合、ワークを傷めることがありません。
表面の成型にはGC砥石を使いました。
「ガラス定盤」。
いわゆる「チューブ入りのダイヤモンド砥粒」を使う場合に、ほぼ「定番」みたいにして利用されているものです。
私もこうしてガラス屋さんに作ってもらいましたが、まったく役に立ちません。
従って「お蔵入り」になっています。
石定盤の一種ですが、「石英製定盤」、というより、ただの石英の石板。
ダイヤモンド砥粒を使っての、遊離砥粒ラップ/湿式の場合、これがもっとも成果の上がった素材です。
ただ、大きくて分厚い石板の入手が非常に困難で、高価になります。
また、石脈に沿って割れやすく、また、砕けやすい。
機会があれば、是非入手したいものと考えています。
これも「石定盤」の一種。
ある業界では、「研磨盤」と称して、そのままの名称で一般的に販売されているものです。
ゲージ屋や金型屋の場合、自分たちの仕事がよほど特殊で独異なものだと思い込んでいるせいか、他の業種・業界でどのような道具や素材が使われているか、まったく無頓着なわけですが、そうであってはならないわけです。
ダイヤモンド砥粒の場合に限らず、GC砥粒を使う場合にも向いています。
ただ、平面の仕立て直しに手こずります。
石材の研磨を気軽に引き受けてくれるところが見つかれば、活用範囲がぐっと拡がります。
これは乾式ラップに使用するもので、ダイヤモンド砥粒を練り込んだものを塗布したものです。
乾式が有利な点は、定盤ラップに際して、遊離砥粒/湿式の場合に比べて、ワークに「縁ダレ」が生じないという点が指摘できますが、これは#2500相当のダイヤモンド砥粒が使われていて、通常の「磨き仕上げ」には十分です。もっとも鏡面にはなりません。
一般市販品ですので、メーカーさんの期待通り、販路が深く広がってくれるかどうか。
ここまで来ると、別段、特別な定盤素材を追究するとか、新規に施策してみるという必要もないわけです。
写真は「アルカンサス砥石」。
砥石を砥石としてラップ定盤に使えば足ります。
このアルカンサス砥石の面を如何に平面に成型するか。GC砥石で研磨するんですがね。
この写真の左のものは、アルカンサス砥石が今や稀少となって、サイズの大きなものは非常に高額になるということから開発されたという話を聞いていますが、いわゆる「人白砥石」。
「人造白色砥石」とでもいうのでしょうか。
右側のものは、ミツトヨ(株)が販売している「セラ・ストン」。アルカンサス砥石の代わりにブロックゲージのカエリ取り等に使われます。
これらも、ラップ工具として、ラップ定盤として使うわけです。
最後に、ハンド・ラップ用工具。
遊離砥粒ラップ/湿式用として使ってきたものでしたが、現在では、固定砥粒ラップ/乾式にラップ技法を変えてきていますから、ほとんど使う機会がありません。
ラップ作業というと鋳物製ラップ工具、という発想に囚われている限りは、鏡面ラップはまったく夢物語ですし、#20000程度までの超微細加工ラップが出来なければ高精度なゲージ製作は出来ません。
ただ、その場合に、どのような素材がラップ工具として適合的かは、これといって決定打はないかも知れません。
上の写真のものでも、入手の容易さ、価格の安さ、工具に仕立てる加工の容易さ、メンテナンスの簡便さ・・・といった点から試行錯誤を繰り返しましたが、別段、これ以外は適当ではないと判断は出来ません。これら以外のものは試してはいませんので。
ただ、0.5~0.1μm粒径のダイヤモンド砥粒でラップするというような場合、それに相当するような固定砥粒ラップ材はありませんから、なお、遊離砥粒ラップ/湿式の技法は必要であり続けます。