分類:よくある質問
ブロックゲージで検定する
●ブロックゲージでハサミゲージを検定する方法
ブロックゲージの使い方と言っても、別段特異なオペレーションであるわけではない。
ただ、頭の中では三次元的に(立体的に)、状況を認識する必要はある。
ここでは、ハサミゲージの検定方法について、説明テーマとして採り上げる。
1.ワークの寸法状況を把握する。
①ハサミゲージの測定部(対抗平面間)の寸法に、ブロックゲージを構成する。
・ブロックゲージをリンギングさせる。
組み合わせ方というのはいろいろなのだが、
例えば、25.997mmに校正する場合。
47個セット→ 22mm+1.9mm+1.09mm+1.007mm *(10進法通り)
76個セット→ 20mm+3.5mm+1.49mm+1.007mm
103個セット→ 23.5mm+1.49mm+1.007mm
1mm以下(0.991~0.999mm)の9個セットを使うと、
47/103個セット→ 25mm+0.997mm ◎
76個セット→ 20mm+5mm+0.997mm
◎印を付した組み合わせがもっとも組み合わせ枚数が少なくて済む。
組み合わせ枚数が少ない程、基準器としてのブロックゲージの信頼性が高くなると言うべきである。
②ゲージの測定部の長さ方向に、ブロックゲージの長手方向から挿入する。
・全行程に、特に固く感じるとかの違和感があるか否かを感得する。
③ゲージ測定部の奥まで挿入できれば、90゜転回させて、ブロックゲージの長手方向がゲージ測定部と直交するようにし、そのまま素直に、ブロックゲージを引き抜く。
ピンと音が生じるようだと、ゲージ寸法がブロックゲージ寸法よりも小さい。
あまりスルスルと引き抜けるようだと、ゲージ測定部寸法が大きい。
この場合、ゲージ測定面とブロックゲージ面との間でリンギングが生じる場合がある。
もっとも、#3000程度でのゲージ面仕上がりだと、リンギングは生じないことがほとんどである。
#6000かそれ以上に微細な仕上がりだと、リンギングは生じやすい。
④ゲージ測定部の両サイドからブロックゲージの長手方向を沿わせて挿入する。
ゲージ測定面の「倒れ」を検証する。
もっとも、②③の段階でリンギングを感得できているようだと、ゲージ測定面の「平行度」は良好と判断できる。
但し、必ずしもそうでない場合もあるから、慎重に判断する。
⑤この場合の判断で、1μm大きな、もしくは、小さなブロックゲージに差し替えて、改めて検証する。
2.ゲージ測定部の面性状を把握する。この方が、寸法把握よりも先行するべき問題なのだが。
いわゆる「透き見」でのゲージ測定部の進直性の検証は、2μm以下は不可能であるか、困難である(光の回析性)。
従って、ゲージ測定部の仕上がりの進直性と平面度の検証には、オプチカル・フラットを使わないといけない。
ブロックゲージでの寸法検証時に感得できる「揺らぎ」は、ゲージ測定面の面性状と照応している。
3.官能検査だということの意味
ブロックゲージでの寸法検証は、官能検査だという見方がある。
ゲージ測定面の仕上がり(平面粗度)が粗ければ、実は、本当の寸法値は把握できない。
あるいは、直進度・平行度・面の倒れがあれば、もちろん、寸法把握はできない。
きちんと仕上げられた場合には、1μmの寸法差はクリアである。つまり、「物理問題」である。
従って、±0.5μmのレベルでは、客観的な判断問題である。
検定されるべきゲージ寸法値とブロックゲージの寸法値の「照応関係」については、JIS B 7420 に規定されている。
即ち、ブロックゲージをハサミゲージ測定部に挟み込んだまま釣り上げて、ブロックゲージがその自重で円滑に落下すれば、
そのハサミゲージの測定部寸法は当該ブロックゲージの寸法と等しいと判断するとされている。
しかしながら、ハサミゲージ測定部の面とブロックゲージの面とが「リンギング」していれば、ブロックゲージは落ちないだろう。
ハサミゲージ測定部の片面とブロックゲージ面が「リンギング」していれば、ブロックゲージは動かないから、
どこまでハサミゲージ寸法を拡げていっても、「なお、固い。ゲージ寸法が小さい」と判断されることになりかねない。
だから、「リンギング」しないように、ある程度ラフな面に仕上げた方が(つまり、ゲージ寸法値も幾分かの曖昧さが有った方が)、
ゲージ検定時のトラブルを回避するべき「秘訣」になりかねない。
何もこのことは「笑い話」であるのではなく、よくある話なのである。
もっとも、ブロックゲージで受け入れ検査するというのではなく、
「測長機」で受け入れ検査をするというように時代が変わってきていて、この種の「トラブル」は少なくなってきている。
●ブロックゲージでハサミゲージを検定する方法
ブロックゲージの使い方と言っても、別段特異なオペレーションであるわけではない。
ただ、頭の中では三次元的に(立体的に)、状況を認識する必要はある。
ここでは、ハサミゲージの検定方法について、説明テーマとして採り上げる。
1.ワークの寸法状況を把握する。
①ハサミゲージの測定部(対抗平面間)の寸法に、ブロックゲージを構成する。
・ブロックゲージをリンギングさせる。
組み合わせ方というのはいろいろなのだが、
例えば、25.997mmに校正する場合。
47個セット→ 22mm+1.9mm+1.09mm+1.007mm *(10進法通り)
76個セット→ 20mm+3.5mm+1.49mm+1.007mm
103個セット→ 23.5mm+1.49mm+1.007mm
1mm以下(0.991~0.999mm)の9個セットを使うと、
47/103個セット→ 25mm+0.997mm ◎
76個セット→ 20mm+5mm+0.997mm
◎印を付した組み合わせがもっとも組み合わせ枚数が少なくて済む。
組み合わせ枚数が少ない程、基準器としてのブロックゲージの信頼性が高くなると言うべきである。
②ゲージの測定部の長さ方向に、ブロックゲージの長手方向から挿入する。
・全行程に、特に固く感じるとかの違和感があるか否かを感得する。
③ゲージ測定部の奥まで挿入できれば、90゜転回させて、ブロックゲージの長手方向がゲージ測定部と直交するようにし、そのまま素直に、ブロックゲージを引き抜く。
ピンと音が生じるようだと、ゲージ寸法がブロックゲージ寸法よりも小さい。
あまりスルスルと引き抜けるようだと、ゲージ測定部寸法が大きい。
この場合、ゲージ測定面とブロックゲージ面との間でリンギングが生じる場合がある。
もっとも、#3000程度でのゲージ面仕上がりだと、リンギングは生じないことがほとんどである。
#6000かそれ以上に微細な仕上がりだと、リンギングは生じやすい。
④ゲージ測定部の両サイドからブロックゲージの長手方向を沿わせて挿入する。
ゲージ測定面の「倒れ」を検証する。
もっとも、②③の段階でリンギングを感得できているようだと、ゲージ測定面の「平行度」は良好と判断できる。
但し、必ずしもそうでない場合もあるから、慎重に判断する。
⑤この場合の判断で、1μm大きな、もしくは、小さなブロックゲージに差し替えて、改めて検証する。
2.ゲージ測定部の面性状を把握する。この方が、寸法把握よりも先行するべき問題なのだが。
いわゆる「透き見」でのゲージ測定部の進直性の検証は、2μm以下は不可能であるか、困難である(光の回析性)。
従って、ゲージ測定部の仕上がりの進直性と平面度の検証には、オプチカル・フラットを使わないといけない。
ブロックゲージでの寸法検証時に感得できる「揺らぎ」は、ゲージ測定面の面性状と照応している。
3.官能検査だということの意味
ブロックゲージでの寸法検証は、官能検査だという見方がある。
ゲージ測定面の仕上がり(平面粗度)が粗ければ、実は、本当の寸法値は把握できない。
あるいは、直進度・平行度・面の倒れがあれば、もちろん、寸法把握はできない。
きちんと仕上げられた場合には、1μmの寸法差はクリアである。つまり、「物理問題」である。
従って、±0.5μmのレベルでは、客観的な判断問題である。
検定されるべきゲージ寸法値とブロックゲージの寸法値の「照応関係」については、JIS B 7420 に規定されている。
即ち、ブロックゲージをハサミゲージ測定部に挟み込んだまま釣り上げて、ブロックゲージがその自重で円滑に落下すれば、
そのハサミゲージの測定部寸法は当該ブロックゲージの寸法と等しいと判断するとされている。
しかしながら、ハサミゲージ測定部の面とブロックゲージの面とが「リンギング」していれば、ブロックゲージは落ちないだろう。
ハサミゲージ測定部の片面とブロックゲージ面が「リンギング」していれば、ブロックゲージは動かないから、
どこまでハサミゲージ寸法を拡げていっても、「なお、固い。ゲージ寸法が小さい」と判断されることになりかねない。
だから、「リンギング」しないように、ある程度ラフな面に仕上げた方が(つまり、ゲージ寸法値も幾分かの曖昧さが有った方が)、
ゲージ検定時のトラブルを回避するべき「秘訣」になりかねない。
何もこのことは「笑い話」であるのではなく、よくある話なのである。
もっとも、ブロックゲージで受け入れ検査するというのではなく、
「測長機」で受け入れ検査をするというように時代が変わってきていて、この種の「トラブル」は少なくなってきている。