分類:ダイス鋼製ハサミゲージ

従前技法からの転換

 通常のSK工具鋼製ハサミゲージについて指摘される問題点として、①材質として柔弱な側面がある。②耐摩耗性に満足しきれない。③発錆が防止できない。といった諸点があります。
 しかしながら、JISの規定ではハサミゲージの材質について「SK4相当もしくはそれ以上」とされているところ、SK3ないしSKS3で製作されていれば必要かつ充分な材質で製作されていることになり、また、これらに替わりえる材質はないということもあって、SKS3が指定されたりもしているのが現状ではありました。その「改善」として、総焼き入れゲージとするとか、ゲージ母材面を黒染め処理するとかの「ユーザー要求事項」が受け入れ条件とされてきたりもしています。このような付加処理が求められた場合、ゲージ・メーカーの側から言えば、これらの付加処理やその処理に伴う技法上の手間暇は製作コストになりますから、そのコストに見合うだけの価額が補償されれば、別段、「できません」という理由はないことになります。

 ゲージ・メーカーの側からの発想では、ゲージの価額というものはコストの積み上げで決まるというのが基本的なスタンスですから、