分類:ハサミゲージの世界
板ゲージの校正:ブロックゲージの校正
ブロックゲージの校正(ブロックゲージの校正の外部委託と校正証明書)
●ブロックゲージの校正と「校正証明書」
規準になるブロックゲージ・セット(JISゼロ級/103個)及び検査用ブロックゲージ・セット(JIS1級/103個)については、3年ごとに、当該メーカーに校正を委託しています。
それ以外のセットについては、適宜、必要に応じての校正委託としています。
●校正証明書:その①
JIS2級/47個セット。
黒田精工(株)。
個々のブロックゲージの「中央値」が証明書では明記されています。それ以外の寸法要素については、JISの規定の枠内にあるということが等級判別によって保証されていることになるのですが、具体的には、改めてその旨の校正を委託しないといけないということになるそうです。
●校正証明書:その②
JISゼロ級/103個セット。
ミツトヨ(株
この校正証明書では、中央寸法と、最大・最小の寸法が明記されていますが、おそらくは中央1点と、外周部4点の5点での測定のはずですから、その最大値の測定箇所、最小値の測定箇所は特定されません。
従って、「全体としての平面度・平行度」を頭の中でシュミレートする以外にありません。
●校正証明書:その③
JIS1級/103個セット。
(株)ツガミプレシジョン
校正証明書としての記載形式は、(株ミツトヨの場合と同じです。)
●校正を委託する場合の留意点
・少なくとも、一ヶ月以上の余裕を持って委託に出す。
「手順書」等との関係で、校正周期を定期としている場合には、その期日の一ヶ月以上前には委託に出すようにする。
・等級ハズレのものが生じた場合には、同一等級の新品と差し替えた上で校正証明書を作成するように依頼する。
現品を現状のままで校正するという方法と、現品のセットでの精度等級を維持するという方法と、二つがある。
通常は、JIS1級ブロックゲージ・セットなら、そのJIS1級が精度維持されるようにメンテナンスするというのが校正の目的。
・セットでなくても、つまりバラでも校正は受託してくれる。
・他社製品のものでも校正を受託してくれるかは、事前に照会しておくべきである。
●「校正」の意味
「JCSS」のマークのつかない校正証明書は無効かというと、ただちに無効とは言えない。
どういう計測システムの下で寸法測定がなされ、その測定値はどのようなロジックで正確性が担保されているか、による。
JISの規定する精度条件に基づけば、0.01μmレベルの数値が保証されないと、等級判定は無意味になる。
●校正証明書の取扱い
年に一回、限界ゲージ等の「定期校正」を受託している顧客先には、校正証明書の「写し」を作成して、提出している。
「校正証明書」は、その校正の時点でのブロックゲージの寸法関係を証明するものであるから、「その後」についてまで証明が及ぶわけではない。
私のところのようにISO9001の認証を受けている所では、そのブロックゲージの精度・寸法の維持管理をどのように行っているかという「手順」を策定し実行することでその「間隙」を埋めているわけだが、そういう「手順」を持っていない所では、校正証明書の証明力を別な形で担保されなければならないだろう。
●その他
ブロックゲージは、リンギングさせて寸法を構成して用いられるものであるのだが、その際、組み合わされたブロックゲージの全長は、校正証明書の中央寸法値の算術的な総和だと理解する向きがある。
ブロックゲージは三次元的なものだから、最大値部分が組み合わされれば寸法値は累積されるし、最大値と最小値が組み合わされれば寸法値は相殺される。そうなると、リンギングされたブロックゲージの寸法は不確定なものであるという話にはなってしまう。
私自身は「誤差論」で処理されるべきものだろうと考え、それに基づいて措置してきているが、1個の課題ではある。
ブロックゲージの校正(ブロックゲージの校正の外部委託と校正証明書)
●ブロックゲージの校正と「校正証明書」
規準になるブロックゲージ・セット(JISゼロ級/103個)及び検査用ブロックゲージ・セット(JIS1級/103個)については、3年ごとに、当該メーカーに校正を委託しています。
それ以外のセットについては、適宜、必要に応じての校正委託としています。
●校正証明書:その①
JIS2級/47個セット。
黒田精工(株)。
個々のブロックゲージの「中央値」が証明書では明記されています。それ以外の寸法要素については、JISの規定の枠内にあるということが等級判別によって保証されていることになるのですが、具体的には、改めてその旨の校正を委託しないといけないということになるそうです。
●校正証明書:その②
JISゼロ級/103個セット。
ミツトヨ(株
この校正証明書では、中央寸法と、最大・最小の寸法が明記されていますが、おそらくは中央1点と、外周部4点の5点での測定のはずですから、その最大値の測定箇所、最小値の測定箇所は特定されません。
従って、「全体としての平面度・平行度」を頭の中でシュミレートする以外にありません。
●校正証明書:その③
JIS1級/103個セット。
(株)ツガミプレシジョン
校正証明書としての記載形式は、(株ミツトヨの場合と同じです。)
●校正を委託する場合の留意点
・少なくとも、一ヶ月以上の余裕を持って委託に出す。
「手順書」等との関係で、校正周期を定期としている場合には、その期日の一ヶ月以上前には委託に出すようにする。
・等級ハズレのものが生じた場合には、同一等級の新品と差し替えた上で校正証明書を作成するように依頼する。
現品を現状のままで校正するという方法と、現品のセットでの精度等級を維持するという方法と、二つがある。
通常は、JIS1級ブロックゲージ・セットなら、そのJIS1級が精度維持されるようにメンテナンスするというのが校正の目的。
・セットでなくても、つまりバラでも校正は受託してくれる。
・他社製品のものでも校正を受託してくれるかは、事前に照会しておくべきである。
●「校正」の意味
「JCSS」のマークのつかない校正証明書は無効かというと、ただちに無効とは言えない。
どういう計測システムの下で寸法測定がなされ、その測定値はどのようなロジックで正確性が担保されているか、による。
JISの規定する精度条件に基づけば、0.01μmレベルの数値が保証されないと、等級判定は無意味になる。
●校正証明書の取扱い
年に一回、限界ゲージ等の「定期校正」を受託している顧客先には、校正証明書の「写し」を作成して、提出している。
「校正証明書」は、その校正の時点でのブロックゲージの寸法関係を証明するものであるから、「その後」についてまで証明が及ぶわけではない。
私のところのようにISO9001の認証を受けている所では、そのブロックゲージの精度・寸法の維持管理をどのように行っているかという「手順」を策定し実行することでその「間隙」を埋めているわけだが、そういう「手順」を持っていない所では、校正証明書の証明力を別な形で担保されなければならないだろう。
●その他
ブロックゲージは、リンギングさせて寸法を構成して用いられるものであるのだが、その際、組み合わされたブロックゲージの全長は、校正証明書の中央寸法値の算術的な総和だと理解する向きがある。
ブロックゲージは三次元的なものだから、最大値部分が組み合わされれば寸法値は累積されるし、最大値と最小値が組み合わされれば寸法値は相殺される。そうなると、リンギングされたブロックゲージの寸法は不確定なものであるという話にはなってしまう。
私自身は「誤差論」で処理されるべきものだろうと考え、それに基づいて措置してきているが、1個の課題ではある。