分類:手技と手業の世界観

手業のエンジニアリング

ハンドラップの技術と技能の究極を極めるということは、作業担当者の身体動作能力のありようがどう、対象ワークに対する認識判断といった精神作用のあり方がこう、という風に分けて考えることができるのだが、身体動作能力は道具立ての組み合わせに置き換えることができ、精神作用の側面については属人的な思想の問題ということに落着するかも知れない。
最近になってあちこちで指摘されるようになったことになるのだが、仏教の「唯識説」を学ぶことによって 人が道具を駆使して自然に対する働きかけをするということの内実が分かってくる。大切な点は、<客観><主観>という世界の二分肢理解というのは実は虚妄で、主観は客観を包摂してしまうということ、更に言えば、量子力学の基本原理を学ぶことでモノの世界が違って見えてくるということ。こういうことを学ぶことで技能の「能」、手業の「業」ということが対象化できる。